固定資産税の課税ミス、今年も相次ぐ  提供:エヌピー通信社


 所有する土地・建物にかかる固定資産税の過大徴収、誤徴収、課税漏れなどのミスが相次いで報告されています。主要な地方税のひとつである固定資産税は、納税者側が計算して納付する申告納税制ではなく、自治体側が税額を決定する「賦課税」。全員が税金のプロである国税当局の税務職員とは違い、地方税を課税・徴収する自治体の職員は、その多くが一般的な地方公務員で、決して税金の専門官ではありません。今年、報告されている主なミスについて振り返ってみます。

 福島県郡山市では、法人・個人の土地に課税される固定資産税を算定する段階でミスが発覚しました。納税通知書の発送に向けて最終点検を行っていた職員が、プログラム設定の誤りに気が付いて発覚したそうです。土地の固定資産税を算定するコンピュータープログラムで、地価の上昇・下落に応じて税額の負担割合を決める設定に漏れがあり、対象となる11万7441件のうち約半数の5万6063件でミスがありました。

 山梨県富士吉田市でも固定資産税の課税に誤りがありました。こちらのミスは過少課税で、納税者84人に対して本来の税額よりも少なく計算して納付を求めていました。固定資産税は「固定資産税路線価」をもとに計算しますが、評価額を決める際に人的ミスで路線価を取り違えてしまったそうです。過少に課税された金額は84人の合計で約31万円でした。

 大阪府豊能町では過大徴収のミスが発覚。2024年中に家屋が新築された土地について、課税標準額を計算する際の「住宅用地特例」の適用を誤り、システムへの入力が漏れていました。このため非住宅用地として扱ってしまい、本来よりも高い税額となっていました。過大徴収された納税者は21人で、その合計額は約87万円でした。

 栃木県小山市でも過大徴収のミスがみつかっています。土地の価格について「時点修正」を行ったにもかかわらず、評価額に反映されていなかったとのことです。土地の価格は原則として基準年度から3年ごとに評価替えを行い、その評価額をもとに算定します。3年の間に地価の下落があり、基準年度の価格を据え置くことが適当でない場合には価格を修正する「時点修正」を行います。対象者は2620人、対象となった土地は7544筆でした。

<情報提供:エヌピー通信社>



 


2025年08月06日